ピアノの先生選び~大人の再開ピアノ その3

ピアノレッスン備忘録

その2の続き

ロシアンスケールは、御存知ない方も多いかもしれない。ざっくり言うと、ロシアで練習されているスケール(音階)のパターンである。youtubeなどで検索する場合は「formula pattern」と入力すると出てくるので、興味のある方はご覧になるとよいかも。

このロシアンスケールとアルペジオの楽譜を購入し、ヨタヨタながらも練習を開始した。普通にスケールを練習するよりも難しいので、身につくと色々御利益が期待できるという。ちなみに、このロシアンスケールは現在でも基礎練習に取り入れて継続中。

そもそもなぜロシアンスケールに思い至ったかというと、学生時代に習っていた先生の話を思い出したからである。その先生の音大時代、何人かまとめてピアノの実技の授業が行われていたそうなのだが、その際、一人ずつ前に呼ばれピアノを弾くらしい。でも、ピアノの曲を弾く前に、まず、先生がその場で指定した調のロシアンスケール&アルペジオ&オクターブと指定した調のシンフォニアを弾かされ、そこでうまく弾けないと「ちゃんと、さらってらっしゃい!」と言われて曲は見てもらえなかったそうだ。

この話を思い出し、基礎練習に最適なのではないか?と考えたのである。

その話を聞いた当時は、その少し変わったスケールなどがロシアンスケールというものだとは知らなかったのだけど、調べを進めたりしていくうちに、まさしくそれがロシアンスケールというものだと知った。その先生の弾くピアノの音は他の人と違って、いろんな音が出るなーと、ずっと思っていたので、先生の奏法がロシア系?だとすると、なんだか腑に落ちる感じがした。

それと時を同じくして、ピアノも入れ替えた。
もともと家のピアノは、現在のハイブリッドピアノの原型ともいうべき「電気ピアノ」というものだった。電気ピアノとは、アップライトのピアノなのだが、響板がなくて、弦から音をピックアップしてアンプで増幅させスピーカーから音を出すピアノである。内部にはピアノアクションが普通にあり、弦も張ってあるのだが、響板が無いため音が小さいのだ。音を増幅させる機構としては、エレキギターを思い浮かべると一番近いかもしれない。スピーカーの音量を絞れば、ピアノの弾き心地はそのままに、音だけ小さくなる。
集合住宅暮らしが長かったので、デジタルピアノと共に、この電気ピアノを愛用していた。

しかし、当時持っていた古いデジタルピアノは言うに及ばず、この電気ピアノで練習しても、ピアニスト先生宅のグランドピアノを弾くと、勝手が違いすぎてうまく音が出せない。

電気ピアノの小さい音で練習していると、音が小さいから無意識にフォルテで弾こうとしてしまう癖がつく。同じ弾き方でグランドピアノを弾くと、想像より音が大きくてびっくりし、音を小さくしようとして逆に音が腑抜けになり、今度は音が鳴らなかったり・・・

なのでまず、デジタルピアノを新調したのだが、やっぱりデジピではすぐに限界が来たので、中古のアップライトピアノを購入した。

そこで本腰入れて練習していたのだが、ピアニスト先生のところへレッスンに行くと、相変わらず勝手が違う。音の出し方が違うのだ。最初は何が何だかわからなかった。

「指はもっと高くあげて!」
「指先はカギ型に曲げたまま固定して、そして高く上げ、上げた所からまっすぐ下に打ち下ろす!」
「弾き終わった鍵盤からは、指を高く上げて離す!」
「もっと、もっと」

こういう指導を今まで受けたことはなく、初めての連続で、頭の中は???状態。でさらに色々調べたり本を読んだりして、ようやく理解した。

自分はいわゆる「重量奏法」で指導を受けてきて、その弾き方で今まで来たこと。ピアニスト先生の弾き方は、いわゆる「ハイフィンガー奏法」で、古き良き?日本でのピアノの弾き方であることを。

つづく

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