人前でピアノを弾く~再び

ピアノメインの音楽関係

前回、ホームコンサートで20年以上ぶりに人前でピアノを弾いてから2か月。

そして再びコンサートがやってきた。

年に一度行われる地元音楽協会の総会コンサートなのだけど、ド素人な私なのになぜか、この協会の役員を仰せつかってしまい、自動的に演奏も行う事に・・・

曲は、ソナチネで有名なクーラウという作曲家の変奏曲。練習期間は約2か月だったけど、古典系の曲だし、譜面づらは易しそうに見えても、私にとっては難しい。シンプルな音型のオンパレードゆえに、自分の基礎力技術力表現力、要するに総合的なピアノ力が丸裸になってしまうのだ。

何気ないスケール音型やアルペジオ音型なのに、ミスしてしまう。正確に言うと、自分ではちゃんと弾いている感じのはずなのに、実際の指の動きが頭の中のと違っているらしく、ミスが発生。一体どういうことよ?って感じで、なぜミスするのか自分でも訳がわからない。

前回のシベリウスの練習の時は、先生探しの旅の真っ最中だったから曲は自分で仕上げた(と言っても仕上がり切らなかったけど)が、今回はスタイン先生にレッスンをしてもらっているので、曲を見てもらった。まず、前回の反省から暗譜は早々と済ませたんだけど、暗譜が終わったら終わったで、今度は譜面を見ながら弾けなくなった。

暗譜はしていても、本番では緊張して頭が真っ白になったりするので、その際の回復手段として楽譜は見ながら演奏することにしたのに、譜面を見てると手元が覚束なくなり、手元を見ながら弾くと、今度は譜面のどこを弾いているのか、見失う始末。まったく我ながら、頭の処理能力が足りてない。。

練習を進めていけば、弾けるようになったところがある一方、今まで一度もミスしなかった部分が急に弾けなくなってくる。ま、弾けてたと思っていても、実際はなんとなく弾いていただけで、ちゃんと弾いてなかったという事なんだろうけど、これが曲全体に及ぶと、いつまで経っても仕上がらない。いたちごっこ、もぐらたたき状態なのだ。

本番2週間前くらいには、ミスしても涼しい顔で弾き続ける事、声を出したりしない事をスタイン先生が指導してくれたのだが、言われるまで、自分で気づいていなかった。普段、人前でピアノ弾かないと無意識に声を出したりしているらしい。そういえば、20年以上前に発表会に出た際、ステージ上でミスをしてしまって、演奏中なのに鼻で笑ってしまったことを思い出した・・・この何十年間、まったく成長してないらしいw

本番1週間前あたりには、とにかく止まらずに演奏する事、毎日、成功している自分のイメージトレーニングをする事、間違うことを想像したり心配しない事、鼻歌でもいいから、こまめに時間を見つけて曲を歌う事、その際、譜面や鍵盤を思い出さない事(思い出すと記憶があやふやになってしまってミスを誘発する可能性が高まるらしい)などをアドバイスしてもらった。イメージトレーニングとか今までやった事が無かったので、毎日寝る前とかに頑張ってみた。そしてスタイン先生は、「あなたに足りないのは自信。多少間違っても流れが切れなければ音楽としては成り立つし、聴いているうちにミスの事などみんな忘れる、大丈夫、大丈夫」と励ましてくれた。

そして本番直前には、細かい部分の練習はしない方が良いともアドバイスをもらっていたのに、当日の朝、どうしても記憶が怪しい部分を少しだけピアノで確認してみたら、、、、もっとわからなくなってしまった!!

なんでこんな事に・・・そういえば、ここの部分は跳躍大きいのに今までミスした事なかったよな~なんて、今度は違う部分について急に考えちゃって、怪しいところも同じように弾ければいいのに・・・とか思っちゃったら、さあ大変。今までバッチリはまっていた部分が、間違えそうになってしまう。そこの部分に来ると一瞬戸惑うようになってしまったのだ。当日の朝、不用意にピアノを触ってしまったために、怪しい部分はより怪しく、バッチリな部分は漠然とした不安にとらわれる結果に・・・・

あぁぁぁ、スタイン先生が言っていたのは、この事か。本番前に細かい部分をさらっちゃダメなんだ・・・

でも、もう本番当日。まだ始まっても終わっても無いけど、すでに後の祭り。

当日、準備があったから会場には早く行ったんだけど、会の主催の大先生が「ピアノ弾いたら?」と促すので、誰も居ない隙にピアノを一回だけ通して弾いた。ま、結果としては、怪しい部分が完全に弾けなくなり、不安だった部分は、怪しい部分に格上げに、そして緊張のせいか、テンポはとどまるところを知らず、猛スピードへ変化した。もうダメだ・・・

もうすっかり諦めの境地に達し、まな板の鯉の心境で、いよいよ本番を迎えてしまった。

本番は・・・・・止まらなかったのが奇蹟。ほんと、奇蹟だった。何度も頭が真っ白になって、どこの何を弾いているのかわからなくなり、テンポも何拍目なのかもわからなくなり、本日の朝にいきなり不安に感じ出した箇所は、当然のように盛大にミス。

人間って、すごいね。間違っちゃうかも?と思った瞬間、間違うんだもん。ほんの一瞬、頭をかすめたら、もうそのようになっちゃう。成功することだけイメージするって、大切なのだと身をもって学んだ。

だいたい15秒に一回くらいはミスを繰り返し、頭は空白になってたんだけど、止まらなかったのはひとえに、指の記憶というか動作の記憶。暗譜していたから、頭は機能してなくても、反射?で指が動いていたのかも。

自分としては、普段の6割くらい力を出せれば良いと常々思っているので、今回も6割くらいは大丈夫だったはず、と勝手に思っていたのだが、演奏会を聴きに来ていた家人曰く、普段の6割も弾けてなかった、との事。。。。。

事実は残酷。

録画した映像を見返してみると、ほんと、ボロボロ。そして改めて、止まらなかったのが奇蹟。
大先生は褒めてくれたけど、どう考えてもお世辞なので、逆に反省。

今月末には、スタイン先生のピアノ教室の発表会があって同じ曲を弾く予定だけど、部分練習からやり直すことにする。。。

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