バイエル７２・７３番

ではバイエル７２番・７３番へ進みます。この辺りからはだんだん難しくなって来ますので頑張りましょう。

バイエル７２番はト長調の曲です。スケールは出てきませんが、右手の旋律に指替えの練習が２種類入ってきます。一つはスケールと同じ３の指の下から１の指をくぐらせる練習が２箇所、もう一つは同音連打の指替えです。ピアノを弾く場合、同じ音を続けて弾くときは基本的に一音づつ指を替えて弾きます。バイエル７２番のように４分音符なら指一本で問題なく弾けるのですが、３連符や１６分音符など、速いテンポで同音連打する場合は、一本指では不可能です。そこで指を替えながら連打するという技術が必要になるのです。指を替えて弾くときは手首を上げて手首を使って打鍵するのではなく、なるべく指先だけで弾くようなつもりで練習してみてください。バイエルを卒業してからも自分なりにピアノを触って行きたいと思っている方は是非マスターしておきましょう。バイエル以上の事は絶対にしない保障のある方は、一本指で弾いちゃっても構わないと思います。あと、伴奏のパターンですが３度の和音と一つの音の繰り返しとなっています。滑らかに弾く事はもちろんですが、和音ともう一つの音が同じ位の音量になるようにバランスを保つように心がけます。途中、左手に旋律が移りますが、その部分は当然左手がメインに聞こえるように演奏します。

バイエル７３番は、スケールの練習とともに、バイエルで初めての半音進行の練習曲です。指定されている指使いの通りに練習してみてください。半音進行が入ると臨時記号がたくさん出てくる事になるので、ちょっと気分が重たくなってしまうと思いますが、半音進行が始まる音と終わる音さえ覚えておけば、後は鍵盤一つずつ進めば良いだけなので覚えてしまえば楽です。楽譜の見た目に惑わされないように頑張りましょう。後はハ長調のスケールと７２番でも出てきた同音連打、両手で和音を弾く練習など、盛りだくさんな内容になっていますので、同時にあちこち気を回さないといけません。忙しく頭を使う曲は、ついつい休符を忘れたり疎かにしてしまいがちですので、休符も演奏だという事を心に留めてきちんと間をとってください。