ピアノの先生選び~大人の再開ピアノ その15

ピアノレッスン備忘録

その14のつづき

チャッキリ先生は、「力が入ってる。無駄な力を使うと痛くなる」
とおっしゃるが、そもそも力が入ってるとは、どういうことなのか?

人間は、大まかには構造は同じだろうが、細かいところでは千差万別だと思う。
だから、力が抜けた自然な状態だって、人それぞれなのではないか。

例えば、手の力が抜けた状態と言うことを考えてみると、おそらく一番力が抜けているのは睡眠時なのではないだろうか。私の場合、ベッドで横になって自然な状態の時だと、指は内側に自然に曲がるのは当然として、親指に関しては、開いた状態ではなく、人差し指と中指の間くらいの所に親指の先が来る。すなわち、この形が私にとって、一番力が抜けた状態であるということだ。

だから、ピアノを弾いているときでも、いわゆる「脱力」した状態にした場合、親指は外側に開くのではなく、人差し指の下あたりに内側に曲がっているのだ。

でも、その状態を見てチャッキリ先生は、
「親指が手のひら側に入ってる!」
「余計な力が入ってる!」
「力を抜いて、親指は外!!」
と言い続ける。

チャッキリ先生の言うように、親指を瞬時に外側へ開いた状態に持っていこうとすると、逆に余計な瞬発力と力を使って無理をしなければ、私にはできない。この指導をチャッキリ先生は、根気強く行い続ける。20分くらいもスケールの指導を受けただろうか。私は、もうすでに親指の付け根が痛くなり始めていた。

チャッキリ先生は、
「これは一朝一夕にはできない。わたしもそうだったし、苦労する。」
「でも、練習し続けた方が良い」
とおっしゃるので、特に反論も何もせず、ただうなずいて従った。

そしてチャッキリ先生、「アレクサンダーテクニックってご存じ?」
と、アレクサンダーテクニックの本のコピーを見せてくる。

アレクサンダーテクニック、アレクサンダーテクニークとも言うが、これはピアノだけに限った話ではなく、人間の動作全般に共通する考え方で、人間の構造を理解し、無理をかけず自然な動きを癖づけ、体の不調を引き起こさないメソッドの事。ボディマッピングという理論で、目に見えない体の骨格、筋肉をイメージして、各動作と関連付け、意識して動かす、とか言う感じ。詳しくは各自お調べいただきたい。

私は、このアレクサンダーテクニックの本を数冊持っており、自分でも実践を心掛けていて、このおかげで腰の痛みが楽になったり、ピアノを弾くときにいつも痛かった背中が痛くなくなったり、過去数回も繰り返した腱鞘炎も、一歩手前でとどめる事ができるようになったのだ。

チャッキリ先生は続ける
「このアレクサンダーテクニックの講習会にも行ったけど、全然役に立たなかった。この講師の人は、ピアニストになりたかったけどピアニストにはなれなかったピアニストくずれ、みたいな人で、なんか言っている事がちょっと違う。自分で経験してちゃんとピアニストになってたら良かったけど、やっぱりね、できなかった人に言われてもね」
「参考にしても良い部分もあるけど、あんまり鵜呑みにしない方がいいわよ」

チャッキリ先生「ロシア奏法、なんて言葉もジャンルも無い!って原田先生も良くおっしゃってるから、あんまり重量奏法重量奏法なんて言わない方がいい」
「わたしが月に一回レッスンに行ってる先生に、重量奏法なんて事を言ったら怒られるよ」

チャッキリ先生「最近は、ロシア奏法なんて巷で言われて流行ってるみたいだけど」
自分「大野さんが書いたロシアンピアニズムの本は読みました」
チャッキリ先生「ああ、読んじゃったの? あれ、酷いこと書いてるから読まない方がいいわよ。って、もう読んじゃったのね。なんかメチャクチャなこと書いてあるし。害にしかならないから真に受けないで」

この時点で既に、何か違うかも?と思い始めていたが、でも、その後の会話で、

チャッキリ先生「ピアノの弾き方に、正解なんてない。人間はひとそれぞれ違うし、その人にとって、キレイな音で楽しく弾ければいいのよ!」

とおっしゃったので、不安を感じつつも、この言葉が決め手になってチャッキリ先生のレッスンを受けることにした。レジュメに書いてあることの最優先事項3つ、すなわち、奏法の強要はしないで欲しい、ツェルニーを早く終わりたい、手や体を傷めないようにしたい、ということを了承していただいたのを確認した上で、その場で入会金と月謝一か月分を支払い、入会。

レッスンは、前の先生から引き続き、ツェルニー50番の20番からすることになった。

つづく

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