ではバイエル97番へ進みます。再び8分の3拍子で、しかも 両手ともト音記号の譜面と言う、懐かしい感じすら漂う曲です。しかし、 この曲もとても難しい技術が入ってます。両手ともト音記号であっても、 大ボスの一つなのです。騙されてはいけません。
97番はハ長調の曲で、引き続き8分の3拍子になっています。 右手旋律は3度の和音進行のみで成り立っています。しかも、和音進行 に16分音符も入っているために、かならずと言ってもいいくらい、 バラバラになってしまいます。まずはゆっくり確実に弾けるように練習 します。力を入れて押さえつけるように弾くとうまく行きません。主に 指でボタンを押すような感じで、軽くササッと弾けば弾きやすいです。
うまく行かない場合は、手首の回転を使います。1の指を 使うときは、親指の付け根と腕のラインが直線上になるくらいに、手首を右側に まわします。そして5の指を使うときは、今度は逆に小指が腕から直線上 になるように、手首を左にまわします。バイバイ、と手を振る動作を 思い浮かべてください。左右に手のひらを振りますね?その手首の動き を鍵盤上で行うのです。そうするとびっくりするほど弾きやすくなります。 これは何も和音だけに限った事ではなく、全般に当てはまる事で、この 手首の回転をマスターすれば、この先の練習曲も早くクリアできます。
しかし、手首の回転で一番気をつけなければいけないのは、手首に伴って 肘が必要以上に不自然に上下したり、体が持ってかれるほど左右に波打つように動いてはいけない、と 言う事です。変な動きは無駄な力を使うことに繋がります。あくまでも、 自分自身が「楽チン」と思えるような動きに留めておくように気をつけ ましょう。後は、スタッカートの部分は弾むように軽く、曲の中間部では レガートで滑らかに、という対比を反映させましょう。
左手伴奏は、ベース音を保持しながら和音を弾くパターンです。 注意点は過去練習したのと同じです。中間部には、装飾音符と1オクターブ の移動の組み合わせなパターンです。なかなか難しいのですが、この 装飾音符の形は、バッハの曲などにもたくさん出てきますので、滑らかに ひとまとまりに聞こえるように練習してマスターすると、後々必ず役に立つ ことでしょう。
オクターブの移動部分は、スタッカートですので指を 開き続けておく必要はありません。ポンっと上下に飛んでいくような イメージです。いちいち鍵盤で確認しなくても演奏できるように、大体の1オクターブの 感覚を指に覚えこませるように頑張りましょう。
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