バイエル104番

第三ステージ

では、バイエル104番へ進みます。この曲で、バイエルの中に あるピアノ曲らしい曲は終わりです。後の親ボス2曲は指の練習曲となり、 あまり楽しくありません。ここでピアノ風味を堪能しまくりましょう。

バイエル104番は、8分の3拍子でへ長調の曲ですが、途中、何気なく 気づいてみたらハ長調へ転調してて、またヘ長調に戻るといった感じに なっています。ピアノの曲では、「さあ、転調するぞ!」とばかりに 転調する曲もありますが、多くの曲では、この104番のように「もしかして 転調してる?」などというパターンで自然な流れで転調部分が出てくる 事も多いです。

右手旋律には、二つの調ともスケールが出てくるのですが、 バイエルで初めて出てくる、最重要な技術が入ってます。それは、4の指の 下を1の指がくぐるという技術です。今までは、1オクターブのスケール しか出てきてないために、1の指がくぐるのは、3の指の下を一回だけ でよかったのですが、1オクターブ以上のスケールを弾き続ける時には、 4の指をくぐると言う技術も不可欠なのです。ドレミファソラシドと弾いて、5の指が 上のドで終わると、それ以上続けられません。そこで、4の指・シの次に 1の指をくぐらせて、1の指でドを弾くと、そのままスケールを続ける 事ができるのです。これを繰り返していけば、ピアノの鍵盤がある限り スケールを弾き続けることができます。

ですが、4の指の次に1の指、 反対に1の指の次に4の指、と滑らかに弾くのは大変な練習を要します。 バイエル104番では、右手だけの、2オクターブ上がる一方のスケールを 、しかも分割して弾くという、スケールの予備練習として習得するという事 になります。4の指をくぐるのも、基本的には3の指をくぐるのと同じ です。4の指でシの音を、1の指で一つ上のドの音を同時に打鍵して、 その後、そのままの指使いで、シドシドシド…と交互に弾いてみるのも 大変有意義な練習です。この場合も、なるべく力はいれずに、抜くように 心がけます。後は、スラーの切れ目と、シンコペーションのアクセントに 気をつけて演奏します。

左手の伴奏は、レガートのアルペジオに、ベース音保持の伴奏型、 3音同時に弾く和音の4連続、といった練習です。実は今までにも数回、3音 の和音は出てきていたのですが、いずれも1回だけ弾くと言った感じでした。 しかし、バイエル104番では、4回連続で弾かなければいけないので、バラバラ ではごまかしが利きません。手首のスナップ、ノックの動作をうまく 使って同時に打鍵します。

次はいよいよ、バイエル親ボスの、最強ペアに突入です。

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