バイエル1番右手だけ・2番左手だけ

第一ステージ

バイエル6~7ページの右手練習・左手練習・両手練習に 飽き飽きしてきたら、いよいよバイエル本編に入りましょう。今回は 1番・右手だけ、と2番・左手だけをやります。

1番は、9ページにテーマ1と言うのがあって、そのほかに1番の バリエーションとして12パターン書かれています。しかし、全部 やるのはかったるいので、この中で特に重要と思われる、Var.10と 1番の最後Var.12の二つだけを取り上げて練習します。鍵盤上の 指の位置・弾く音の指番号はバイエル9ページの上部に書かれている 図の通りです。また、バイエルに色々注釈が表示されています。一般的な 重要な事が書かれていますので、文章を見つけたときは良く読み、 理解しておきましょう。

では図のとおりに指を配置したら、11ページのVar.10を みてください。このページの上に書いてある通りに休符が出てきます。 ここではこの休符も練習します。休符は学校の授業なんかではよく 「休み」などと教えられますが、それは違います。休符は曲の「間(ま)」 なのです。音と時間の経過と言う手段によって表現される音楽にとって、 何も音がない休符の時間も演奏なのです。ですから休符の時間は指示されている 通りに守るのが基本です。Var.10では四分休符で一拍の間を取る練習 を行います。休符の取り方の最大の注意点は、休符の一つ前の音の長さ を休符が始まる時まできちんと保持しておくという事です。休符を 見つけると、あぁ休みだ、と気を緩めてしまい、まだのばして 置かなければならない音なのに、ついつい鍵盤から指を離してしまいがち です。気をつけましょう。

また、スラーが休符の後の音から次の休符の前の音まで、小節を またぎながら書かれていると思います。スラーで括られている部分は 中の音全部で一つのフレーズになります。歌にすれば、一回の呼吸のみで 歌う部分です。ひとまとまりになるように意識して、音が途切れたりしない ようにしましょう。

次は1番の最後、Var.12です。バイエル1番の総仕上げな だけあって5本の指を満遍なく動かさなければならない曲です。また、この曲はスラー2つ の部分で構成されています。フレーズが2つという事です。スラーと スラーの間に休符はありませんが、一瞬の息つぎの間(ま)を入れる(具体的には スラーの最後尾の音から次のスラーの最初の音へ移る時に、そのまま繋げて 弾かず一回鍵盤から一瞬指を離す)と自然なメロディーになります。 是非覚えておきましょう。

引き続いてバイエル2番・左手だけに入ります。2番にもバリエーション が8つ用意されていますが、ここではVar.7とVar.8だけ練習する事に します。指の位置はバイエル15ページに書かれている図の通りです。

Var.7は4つのフレーズから構成されています。また、四分音符の後に 二分音符、そしてまた四分音符というパターンが繰り返されていますが、 このパターンはシンコペーションと言って、強調される部分が小節や拍の 頭に来るのではなくてその後に存在するパターンです。一般的に曲には 拍子と言うものがあります。4拍子や3拍子・2拍子などイメージできる と思いますが、その拍子のリズムをとるために普通は小節の1拍目、もしくは 8分音符や16分音符の場合は拍の頭に、強拍という強調される部分が でき、それによってリズムが生まれるのです。しかし、シンコペーションは 強拍のすぐ後に相対的に長い音が来るため、その部分の方が結果的に 強調されるパターンになると言うわけです。Var.7ではこのシンコペーションを 頭の片隅において練習してみてください。

Var.8はバイエル2番の総仕上げであり、5本の指を満遍なく 動かす曲になっています。しかも、曲としては初めての3拍子です。 スラーが細切れでいくつも書かれていますが、それだけたくさんの フレーズから成り立っているという事です。1番で学習したように、 スラーとスラーの間には息つぎの間(ま)を入れられるように練習して みてください。加えてこの曲はリピートが入っています。バイエル15 ページに書いてある説明を読み、理解するようにしてください。また この曲は、高い音(左手指番号1・親指など)からフレーズ が始まるタイプです。ちょっと弾き難さを感じるかも知れませんが、 大切なパターンなので違和感無く弾けるようになるまで繰り返し 練習してください。

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