ピアノ伴奏は簡単なのか?

ピアノメインの音楽関係

前回の投稿に引き続き、ピアノのスランプは絶賛継続中。

でも、なんだか本番はやってくる。
今年7回目であった前回の本番で、今年は最後となるはずだった。
でも、本当に急遽、歌の伴奏をする事になってしまった。

曲は前回と同じものなのだけど、歌う人は別の人。本番当日までは合わせ練習無し、当日も直前に一回合わせただけで、ほぼぶっつけ本番。

ま、歌の方たち(デュエットだった)は音大を出たり、オペラとか他の活動もなさっている方たちだったので、歌ももちろん上手でしかも合わせ慣れているせいか、本番は気持ちよく無事に終えることが出来た。

それからも12月にも伴奏を、、、とか言っていただいたけど、本当に余裕が無いので辞退申し上げ、今度こそ本当に2021年の本番は終わり。終わって見れば一年のうちに8回も人前で演奏することになろうとは・・・

歳が明けた来年の1月には、4か月前から決定していた片田舎でのコンサートがあり、それにはフルートの伴奏と自分のピアノ曲で出る予定になっている。

のだけど、その本番まで1か月と言った先日、急遽、歌の伴奏をお願いされてしまった。

過去2回、歌の伴奏をした方なのだけど、せめて2か月くらい前には言って欲しいとお願いしているのにも関わらず、またまた急に言ってくる。

歌う本人にしても、オファーが来るのが遅くてご自分でもアワアワしているとの事なのだが、伴奏を依頼される側からすれば、もっと大変なんだけど。

もともと決まっていたフルートの伴奏の練習もある上、自分の曲もあるのだ。

普段のレッスンの曲の練習もある。

伴奏なんかが入ると、普段の練習を減らして伴奏に振り分けなければならない。
で、現状は、ピアノのスランプから脱しておらずピアノを弾かない日もあるせいで、来月の本番の練習が思うように進まず、レッスンでの曲は完全にお休みして本番の練習だけしている毎日。

本番の練習だけに切り替えても、基礎練習と伴奏曲、本番曲の練習だけでも2時間はかかってしまう。

それなのに、さらに歌の伴奏とか、ほんと、正直言えば無理。

と、正直に相手に告げるも、相手曰く「楽譜をぱっと見た感じでは、それほど難しくはないと思うので大丈夫だと思います。もし伴奏を引き受けて貰えないようなら、コンサートに出るのは辞めます」との事。

いやいやいや、私が伴奏をしなかったらコンサートに出ません!とか、ほとんど脅迫じゃね?

それに、難しくないだの、簡単だの、伴奏だからだの、ちゃんとわかっている人なら絶対言わない。ピアノがある程度弾けて過去にソロの伴奏とか経験がある人でも言わないと思う。

こういう事言う人は、ピアノは少々たしなむけど人前では弾けない、でもピアノの事はそれなりに理解している「つもり」の人のパターンが多い気がする。

ピアノ伴奏と言っても、合唱とか、ある程度の人数のアンサンブルとかの場合は、ピアノを「弾くだけ」がメインとなるので、基本は自分自身の練習にかかっており、後は当日の舞台度胸などと周りとの一体感でなんとかなる。

でも、ソロもしくは、ごく少人数とピアノの場合、難しさは段違いにレベルアップしてしまうのだ。

アンサンブルや合唱の場合、ピアノはあくまで下支えで時々だけメインになる程度なのに対して、ソロの伴奏だと、ピアノはメインでもあり下支えでもあり、ソロが休みの場合でもピアノは音楽をメインで担当するため、ほとんどの場合、一切気が抜けない。

特にクラシックだと、ピアノは本当に休みも無く、ずっと安定して同じ音型を弾き続けなければならない場合も多い。1拍の休みも無いせいで、譜めくりすらできず、安定して同じ音型を弾き続けるためには相応の基礎力も要求される。それに、伴奏譜も、ソロに合わせた楽譜であるので、ピアノが弾きやすい楽譜ではない。下手すると一段につき2小節だけだったりするので、その分楽譜の枚数が増え、譜めくりの回数も増える。自分で譜めくりしながら伴奏するために、ある程度の暗譜もしないとならないし、時には片手で両手分を無理やり弾き、譜めくりしないとならない。

それに加えて、ソロ部分も頭に入れていないとならないし、当然、相手に合わせなければならない。相手が不安定になっても、ピアノは安定してなければならない。ピアノを安定させるためには、暗譜に匹敵する練習が要求されるし、曲芸のような譜めくりの練習もしないとならないし、ピアノをただ奏でるだけにくらべると難易度がものすごく高い。

しかも、ソロの伴奏だと、本当に合わせるのが大変なのだ。ソロの人は基本、自分独りで練習を繰り返すため、演奏の癖が固定してしまう。テンポもゆるゆるルバートになるし、ブレスも気ままに行ったりして毎回変わったりするし、ミスも誤魔化したりすると、下手すると1拍飛ばしてみたりする。こんな状態でピアノ伴奏に合わせれば、ピアノとソロがズレて当たり前。でも、ソロなのだから、あくまで合わせるのはピアノ側、ピアノが合わせて当然の空気で、自分の思いのままに歌おうが吹こうが、それについてくるのがピアノ。

逆に、ただひたすら一定のテンポを保ってるだけで音楽が作れるとでも思ってんの?状態。。。

それに、歌なんかだと音程がうまく取れなかったりして歌いにくいとかの場合、伴奏に歌の音をプラスしてピアノを鳴らしたりなんかもある。声量が大きくない場合、ソフトペダルをずっとベタ踏みして伴奏を行ったりするから、左足が攣りそうになったり。

そんなこんなで、自分だけでピアノを弾くなら、しっかり練習し、なんなら暗譜もして自分のタイミングで自分の思うように弾けば良いのだけど、伴奏になると、タイミングは常に他人が取り、他人のミスはカバーし、音量にも気を付けて、下支えの音は強調し、曲芸ばりの譜めくりもし、伴奏に加えてソロの音まで頭に入れて、曲中に一切の休符も無く、さらにノーミスの演奏を心掛けなければならない。

脳内リソースの半分くらいはピアノを弾くこと「以外」に使わないとならないため、自分のリソースの半分程度を使うレベルの伴奏をする場合、それはすなわち、自分の能力いっぱいいっぱいのレベルのピアノ曲を弾くのと同程度の負荷がかかることになってしまうのだ。

なので、伴奏譜だけを眺めて、この程度なら弾けると思っても、実際は想像よりもハイレベルになるであろう。

で、来月の歌の伴奏なのだが、取り敢えず、伴奏譜を貰うことにした。

伴奏譜を見てみると、イタリア歌曲で自分は知らない曲。

伴奏は、同じ音型がずっと続き、ピアノは休符が一切無く、ほんとうに休みなし。譜めくりタイミングはゼロ。余裕がある楽譜の配置により、次から次へと目を移していかないと弾くのが追い付かず、曲調も速いため、楽譜を読みながら弾くのはちょっと無理な感じ。

要するに、暗譜に匹敵する練習をがっつりしないとならないパターン。

伴奏は、メンデルスゾーンの春の歌みたいな音型が、延々続く。なので、弾くだけでも手に負担がかかるわ。。。手は、オクターブを常に保ってないとならない音型で、挙句に同じ和声の和音アルペッジョであっても、開始音がファだったりドだったりする挙句、時にはオクターブ以上の跳躍があったりするので厳しい。伴奏のレベルとしてはツェルニー30番の終盤レベルと言ったところか。

これを「難しくないから大丈夫」と言いながら、本番1か月くらいで持ってこられても、本気で困るし、ぶっちゃけ、モヤモヤが収まらない。

なんでピアノの伴奏って、こんな扱いなのかな。

なんか、手間暇と労力に見合わない気がして、スランプが一層進んでしまいそうだ。。。。

コメント

トップへ戻る
タイトルとURLをコピーしました