ピアノの先生選び~大人の再開ピアノ その11

ピアノレッスン備忘録

その10のつづき

ここまで書くと、このババァ先生は、さぞや大ピアニストなんだろう、そんな大ピアニストにレッスンを受けるなんて、そもそもが間違いなのでは?と思った方もいらっしゃるかも知れない。

でも、このババァは、別にピアノが上手では無いと思う。あくまで私見だが、ババァの演奏は、ppとffの繰り返しというか、消え入るような音が続いたと思ったら急に大音量になってみたり、よく言えばメリハリがあるのかも知れないが、自分から言わせて貰えば、キレイでもステキでもない演奏。決して、そうなりたいとも、マネしたいとも思わなかった。

それに、ババァのピアノに決定的に足りなかったと思うのは、音色。
ババァの弾くピアノは、メリハリはあるが、色が無かった。
デュナーミクとアーティキュレーションは口癖のように言っていたが、思い返してみても、「ここはこんな音色で」とか、言われた記憶がない。弦楽器のように、などとは言われたが、だからといって、そのためにこんな弾き方をするとよい、みたいな指導も一切なかった。ババァの演奏を何十回も聴かされたが、こんな風に弾けるようになりたい、などとは、ただの一度も思ったことがなかった。

それなのにババァはいつも、頼みもしてないのにピアノ弾きまくって、
「こんな風に上手に弾け。ま、無理だろうけど」
だの
「あたしは何十年もひたすら精進してきてここまでのレベルになった。あんたなんか一生かかっても無理かも知れないけど、やったらやっただけ、誰でもそれなりには成長する」
だの
「一番の勉強は、生のピアノの演奏を聴くこと。目の前でピアノを弾いてもらえる機会があるなんて、ありがたいと思え」
だの言ってた。

でも、破門された後に人づてで聞いたのだが、リサイタルも、若いころに自分で開いたらしいし、大手音楽教室で20年だかピアノ講師していたとのことだったけど、それも親御さんたちとトラブってばかりで、居づらくなって辞めたとの話。

ババァはネット上でピアノの生徒を募集していたのだが、そこの文面も
「大手音楽教室の指導方法に疑問を持ち・・・云々」とか、「趣味の大人にも希望に合わせて対応します」とか書かれてたけど、他人の目から見た別な真実は、本人が思っているのとは違うものなのだ。

ババァの自宅ピアノ教室の生徒も、現実には一桁しか居ないらしく、開店休業状態らしい。それで、乗馬クラブに馬小屋のお掃除のパートに行っているとの事。乗馬の話ばっかり得意げにしていたけど、裏を聞いてみれば、そういう事だったのね・・・

ババァのところでの一か月半は、自分にとって、つらく苦しく、ピアノが嫌いになりかける程の経験だったが、この話を聞いて、なんか怒りが消え失せて、むしろ哀れみに変化。ほんと、見栄と虚飾と虚像と虚勢とプライドだけで生きているようなオバサンだったのね。。。

ある意味、貴重な経験をしたと思ったのと同時に、もう先生選びで失敗はしないようにしよう、と固く決意。日々練習練習、ババァみたいにはなりたくないし、などと自分をなぐさめていたら、調律師さんから連絡があった。

調律師さん「大人の男性も受け入れてくれる先生が見つかりました。この先生は、とてもやさしく、うるさいことなどは一切言わない先生です。」

早速、再度紹介してもらった先生のところに通うことになった。

つづく

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