バイエルを開きましょう

バイエルを始める準備

さぁ、バイエルを開いてみてください。この講座では全音「標準バイエルピアノ教則本」を使用し、これに則って進めて行きます。楽譜については中学校まで普通に音楽の授業を受けていれば 進めていくうちに何とかなりますが、思い出したい方は4~5ページ を読み、ト音記号と小節、音符と休符の種類と長さ、拍子記号を理解しておいてください。

続いて6~7ページの「右手練習」と「左手練習」をして行きます。 それぞれ24パターン書かれていますが、一気にやってしまいます。 打鍵しようで学習した手の形をなるべく意識して弾きます。音符のひとつひとつに番号が振ってあります ね?これは指番号と言って、音をどの指で弾くかの決まりです。この決まりは忠実に守る方が早くピアノが弾けるようになります。自己流で好きな指で弾くと間違った指運びや悪いフォームの癖がつき、一度付いた癖は後で矯正するのにバイエル卒業以上に多大な根気と労力を必要としますので、 しない方が自分のためでしょう。指番号は、両方の手とも、1=親指、 2=人差し指、3=中指、4=薬指、5=小指、です。これは不変の決まりごとですので必ず覚えてくださいね。

さて、いよいよ右手練習にとりかかります。でもちょっと待って、 楽譜が良く読めないのですが!という方、ご安心ください。バイエル 6ページの「右手練習」は楽譜の音程が読めなくても練習できます。 ここにある右手練習の全24パターンは、指番号1がド、2がレ、 3がミ、4がファ、5がソになっています。この場合は真ん中よりも高い方のドからソまでです。なのでまず右手の親指を高い方のドに置き、 後の指は順番にソまで配置すれば、後は書いてある指番号を見て指を動かすだけで楽譜通りに弾けます。また「左手練習」も同様で、 今度は右手と逆に、指番号5が真ん中のド、4がレ、3がミ、2がファ、 1がソになっています。両方の手とも一度鍵盤上に配置してしまえば、 そこから一切位置を移動しなくてもいいパターンになっていますので、 精神的に余裕を持って練習に臨めます。

さぁ、書いてある楽譜(指番号)の通りに指を動かして練習を始めてください。ここで気をつけるのはフォームを保つ事、打鍵したらすぐに力を抜き鍵盤を押さえる力は最小限にする事、音と音が切れないように、 かつ、重ならないように弾くということです。音と音が切れず重ならずに弾くためには、次の鍵盤を弾くのと同時に、押さえていた鍵盤を離すと言う事です。この時、力が入ってしまい、押さえていた指を反り返して力で鍵盤から離そうとしてはいけません。フォームを意識していれば、 鍵盤はただ押し下げ続けているだけなので、その最小限の力さえ取り去ってしまえば、 後は勝手に鍵盤が戻り、その音が止まるのです。要は、次の音を弾いた瞬間、 前の音を押さえていた指の力を抜くだけです。そうすると自然となめらかに音がつながって行きます。これからしばらくの間、バイエルの中には和音(片手で二つ以上の音を同時に弾く)が出てきませんので、常に力を必要としている指は片手につき一本だけです。このことを忘れないように練習すると良いでしょう。

ここにある「右手練習」「左手練習」はいずれのパターンも曲ではなく、指の練習と言った意味合いのものです。ですからすぐに覚えられて余裕が出てきます。後で曲になったものを弾きながら色々な事、たとえばフォームなどを意識するのは至難の技なので、なるべくここのうちにフォームはマスターしてしまいましょう。また、楽譜の音程が読めない人はパターンを完全に覚えてしまった後、譜面の音符とにらめっこしながら弾く練習をしてください。音符の場所と実際の音をよく覚えてください。ここでは音は5つしか出てきません。 ここで音符の位置と実際の音の関係を5つでも覚えてしまえば、 覚えた5つの音程の譜面は読む事が出来るようになったということになります。また、ここの指の練習はつまらないと感じることもあるでしょうが、ここで楽々弾けるようにしておくと、バイエル本編に入ってからかなりスムーズに進んでいく事が出来ますので、今まで出てきた事を頭に置きながら飽きるまで練習してください。

ピアノを弾くときの「フォーム」や「脱力の関係」 「打鍵の注意」などについての長い説明は、ここまでで終わりです。 以後詳しく書く事はありませんが、マスターする事が当然奨励される事ですので、この先の講座で特に触れられていなくても規定路線として把握し、意識する事を忘れずに先へ進んでください。

「右手練習」「左手練習」の全パターンを難なく弾けるようになったら、 次の「両手練習」に進みます。両手練習も24番までありますが、内容 から前半12パターンと後半12パターンに分けられます。

前半12番まで…右手指番号1番がシの音~5番がファの音、左手指番号 5番が右手のシよりも1オクターブ下のシの音~1番が右手1番の3つ 下のファの音です。譜面は右手も左手も常に同じ指番号の指を動かす、 左右対称の音型になっており、初めての人でも弾き易いパターンです。

後半13番から24番まで…右手指番号1番が上のドの音~5番がソの音、 左手指番号5番は真ん中のドの音~1番はソの音です。右手と左手でそれぞれ同じ音を弾く音型はユニゾンと言い、聞いている分には同じ音が連動しているので簡単そうに思うのですが、人体構造から行くと左右非対称の動きとなり、 弾くのは慣れるまで結構難しいでしょう。ここでうまく指が動くようになるかどうかでバイエル卒業までの期間が決定されると言っても過言では ありません。何度も何度も繰り返し、苦手なところはそこだけ取り出してさらに弾き慣らし、楽々弾けると言えるくらいまで弾きこみましょう。

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