マタニティハイ

どうでもいい日記

世の中に、こんな言葉があるなんて知ったのは最近だった。

子供が誕生するということは、非常にめでたい事ではあるけど、日常茶飯事でもあるし、自分の子でもないし、情報の価値としては重要性も必要性もかなり低い。

でも、当人にとってみれば、命を懸けた一大事。
命の危険をおかす状況に耐えられるように、脳内麻薬みたいなものが出て、ハイになるという医学的な?説明がなされているらしい。

が、周りはたまったものではない。特に、職場に一人でもいるとエライことになる。

毎日毎日、どうでもいい情報を一方的に発し、他のことなど目にも入らないようだ。自分からすれば、赤の他人の健診結果などは、本気でどうでもいいのだけど、当の本人は、健診前日には明日の不安を訴え、当日にはラインで報告を寄越し、翌日には細かく臨場感も添えて再現してくる。

ネットで対処法を探すと、淡々と一言だけ返事するとか、ラインでは既読後しばらくしてからスタンプだけ返すとか、アドバイスがあったので、それを実践しているのだが、そんなことはお構いなし。常に自分の話したい事だけ喋りまくるのだ。

考えてみれば、彼女はずっとそうだった。

最初に始まったのは、猫ハイ
次に、不倫ハイ
次に、彼氏ハイ
次に、ウエディングハイ
そして今回の、マタニティハイだ。
この間ずっと、自分のことだけ話している。

彼女は基本、人の話には興味は無いので、いわゆる世間話というものができない。話すのは、世間のことではなくて、自分自身のことがほとんどだから。。天気の事を話していたとしても、気が付くと最終的には自分の晩御飯のおかずの話になっている。

一番つらかったのは、猫ハイだった。
彼女は生まれた時からずっと家に猫がおり、現在でも複数飼っていて、暇さえあれば、猫の話。
昨晩の猫の寝顔画像に始まり、猫動画、自分の猫の鳴きマネなどを交えながら、延々と猫馬鹿ぶりを発揮し、最後に、「ねぇ、どうおもう~?」と訊いてくる。

一例をあげれば
「昨日、猫が階段で『ニャ~~~!!!』ってうるさいから、どうしたのかと思って、後をついていったら、玄関開けろっだってさー!!!」
で、どうおもう?と来る。
どうもこうも、どうでもいいことこの上なし。

昨日、猫が旦那と一緒に寝てた、だの、出かけたまま帰ってこなかった、だの、畳んだ洗濯物をぐちゃぐちゃにした、だの、少しだけモフらせてくれた、だの。。。。

こんな会話を、19歳の先代猫を亡くしたばかりの私に、毎日毎日話しかけてくる。
こちとら、毎日泣き暮らしていて、会社でだって涙が出そうになるのを堪えるのに必死だったというのに、出勤すれば、目の前で猫ハイ。

これがずっと続くのかと思ったら、いい歳して本気で仕事辞めようかと思った。
結局、彼女の話に耐えられなくなって、早く次の子を迎えようということになり、猫ロス真っ最中だと言うのに、次の子たちが我が家に来た。

こんな彼女なんだから、妊娠したらマタニティハイになるのは、当然の事なのかと思う。

マタニティハイになって人が変わった、などという話があるあるらしいが、でも結局、そういう素養がもともとなければマタニティハイにならないのではないか?と思う。

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