その5のつづき
ババァ先生は、ハノンの練習について、リズム練習も強要した。毎回いくつかのリズム練習を選択してきて、これでやれと言う。さらに
ババァ「あんた、ちゃんとピアノの音聞いてる? ピアノの音ってどのくらい延びるか知ってんの?」
ババァ「音を出したら、ちゃんと音を聞け。音が聞こえなくなるまで耳を澄ませて聞け。それから次の音を弾く。ハノンでやれ。ハノンといえども綺麗な音で弾け」
自分「そんな事したら、ハノン弾き終わるのに何時間もかかるんじゃ?」
ババァ「いいからやれ。いちいち考えるな。考えてる暇があったらピアノ弾け。考えてたってピアノは弾けるようにならない。これだから大人はどうしようもない。子供なら口答えは許さないよ!」
はぁ。わかりました。
家に帰って、言われた通り練習してみる。確かに、ピアノの音が消えるまでピアノの音を聞き続けたこと無いかも。こんなに音って延びるものなのね。。最初は言われた通り、音が消えるくらいまで聞いてから次の音を弾くように練習した。ハノン1番(短いから)で。でも、ハノン1番の一曲終わるのに一時間半もかかった!! これじゃ、練習にならない。仕方ないので、一音あたり10秒くらいだけ延ばして練習することに。それでもかなりの時間。
でも、この練習をやったら、なんかハノンも綺麗な音で弾く感じになるし、これはこれで意味があったのかも。指だけでカッチリ弾けって言われたけど、綺麗な音でとも言ってたし、なんか澄んだ音のハノン、新鮮な感じ~とか思って、一週間、つらく苦しい練習に耐えた。
次の週、さっそくハノンを弾く。
ババァ「あんた、一体どんな変な練習してきたのよ?」
自分「一音弾いたら、音が消えるまで聞いて、それから次の音を弾く練習をしましたけど・・」
ババァ「そんなことやってるから、音が腑抜けになってる! ちゃんとマルカートで弾かないとだめだろーが!」
ババァ「何事も、程度ってもんがある。それぞれに意味がある。ただ言われたことやるだけじゃなくて、ちゃんと考えろ! 大人なんだから!」
(注 ババァはべらんめぇ口調なので、本当にこんな言い方)
一瞬、このババァは何を言っているんだろう?と思ったけど、そもそも、そういう練習しろって言ったのは、ババァ、お前だ。ふざけんな!
などと言えるわけもなく、ただ、だまって下を向いているしか無かった・・・
ツェルニー40番も弾く。まず、音の出し方。
ババァ「ピアニッシモは、聞こえるか聞こえないか、鳴るか鳴らないかのシビアな鍵盤コントロールで弾け」
ババァ「でも腑抜けた音にするな。ちゃんと立ち上がりのあるピアニッシモにしないと、ホールの後ろまで届かないぞ!」
ババァ「この和声はなんだと思ってんの?」
自分「・・・減7?」
ババァ「そう、減7。わかってんならちゃんと弾けよ。減7ってのは大事件だぞ? 大事件ってのはこう弾くんだ。」
バァァァーーーーン!!(←ババァ、汚い音で大音量和音を鳴らす)
ババァ「伴奏の和音であっても、何も考えずに出すな。別な楽器で弾いているかのように、弦楽器のように、やわらかく丸く、ひとまとめに弾け」
ババァ「いやいや、ここは属7だぞ。なんで作曲家がこんな和声にしてるか考えろ。大事件だぞ」
バァァァーーーーン!!(←ババァ、汚い音で大音量和音を鳴らす)
ババァ「インテンポっつーのは、一定の速度で弾くことじゃない。上行音型の時は少し速くして、下行音型の時は遅くする。違う違う、リズム感ゼロ、いったい今まで何やってきた?」
ババァ「テンポ揺らすな。才能も感性も無いくせに、変にアーティキュレーションつけんなよ! 一定の速度で弾かないと、綺麗に聞こえない!」
はぁ、このババァ・・・
つづく
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